【備忘録】ぶっ壊れたTABMATEを2000円くらいで直してみた【左手デバイス修理】

目次

TABMATEさん、壊れる

TABMATEとは

イラスト制作ソフトの定番「CLIP STUDIO (クリスタ)」向けにセルシスが自社で製造、販売している左手デバイスがTABMATE(タブメイト)

クッソ使いやすい左手デバイスで僕も愛用していて、イラスト、動画、CG等の作業からWeb閲覧、ゲームなどにも使える相棒である。

TABMATEの弱点

Amazonのレビューとかでよく「壊れやすい」と言われている。

一年弱使っていて壊れるそぶりが無かったので安心してたけど、先日ホイールを押し込んだ瞬間 ガコッ と陥没してスクロールできなくなってしまった。

原因

分解してみると

ホイールの軸がぶち折れとった…

分解して初めてホイールの仕組みを知ったけど、軸受は左側一箇所だけで、ホイールを押し込む際のテンションが直径2mmのプラスチックの軸一点にかかる仕様になっている。

そら折れますわw

軸が金属製だったら折れることはないと思うんだけど、、他のマウスホイールもこんな感じなんだろうか??

基盤などは無傷なので直してみようと思う。

軸を金属製に交換修理する。

また、今後2台目のTABMATEを購入した時に、金属軸を簡単に移植できるようにユニット化しつつ進めていく。

金属軸ユニットを作り、真ん中をくり抜いたホイールにぶち込むっ
完成イメージ。左図を合体させるのだ

用意するもの

修理に使う機材と材料は再現性を高めるため「安いこと」「入手しやすいこと」の二点を重視して選んだ。

具体的には下記の二種類に絞る。

・ミニ四駆のパーツ

・ダイソー商品

※ Amazonのミニ四駆パーツは謎の高騰をすることがあるので、もし高騰していたら他のECサイトや実店舗をさがしてみよう。個人的はヨドバシ.comがおすすめ。

ミニ四駆のパーツ

2×72mm六角シャフト(10本) AO-1043 ¥260

ミニ四駆のシャフトパーツ。

今後折れることのないように金属製に代替する。

折れた軸の直径は2mmで軸の断面は六角になっていて、このパーツの直径と合致している。

ちなみにミニ四駆のでの使い方は両端にタイヤを通す軸。

アルミホイール用ブッシュ(黒8個入り)AO-1020 ¥180

ミニ四駆のブッシュパーツ。

上記のシャフトと組み合わせて使う。

この組み合わせの利点は軸のアライメントを取るのが楽なところ(後述)

ちなみにミニ四駆の使い方も同じでシャフトの先につける。

通常のプラタイヤは直接シャフトに刺せるけど、アルミタイヤはこのブッシュをかませてシャフトを刺す。

ダイソーの商品

精密ドライバーセット(6本、ケース付) ¥100

ダイソー商品

分解時にプラスドライバーを使う。

ミニルーター(3Vタイプ、交換ビット3本付) ¥700

ダイソー商品

ダイソー商品の中でこれだけ¥700

電池別売り。

ちゃんとした既製品に比べるとお手軽な値段。

ドリルで穴を開ける&ヤスリでならすために使う。

変速できないし、パワーも弱し、お尻にスイッチが付いてるしで使い勝手は悪い…けど安い。

公式HPに画像が無いのでruru-syu.comさんの画像を使用させていただいております

鉄工用ドリル刃5本セット1型 ¥100

ダイソー商品

上記のルーター用のアタッチメント。

穴を開ける時に使う。

なぜかダイソーネットストアに取り扱いがない。

ミニルーター用ダイヤモンド砥石 2本セット 球形・砲弾 ¥100

ダイソー商品

上記のルーター用のアタッチメント。

開けた穴をならす時に使う。

ルーターに付属しているものより径が大きい。

ミニルーター用マンドレル 軸 ¥100

ダイソー商品

上記のルーター用のアタッチメント。

下記の切断セットを挟み込んで回転させるための軸棒。

ミニルーター用切断セット ¥100

ダイソー商品

マンドレル軸に挟み込んで

長すぎるシャフトを切断する時に使用。

切れはするけど、ルーター自体のパワーがないのでかなり根気がいる。

ダイヤモンドやすり 3本セット ¥100

ダイソー商品

開けた穴や凹凸をならすのに使う。

ただ工作面は表からは見えないので綺麗に仕上げたい人向け。

強力瞬間接着剤 ¥100

ダイソー商品

最終的に工作したホイールとブッシュを合体させるが、その際使う。

ホイールとブッシュの素材が異なるので、強力瞬間接着剤を選ぼう。

使用量も数滴垂す程度なので使い切りタイプが経済的。

ニッパー ¥100

ダイソー商品

天板の干渉する部分を切り取る際に使う。

爪切りでも代用可能。

合計金額

・2×72mm六角シャフト(10本) AO-1043. ¥260
・アルミホイール用ブッシュ(黒8個入り)AO-1020   ¥180
・精密ドライバーセット(6本、ケース付)  ¥100
・ミニルーター(3Vタイプ、交換ビット3本付)  ¥700
・鉄工用ドリル刃5本セット1型 ¥100
・ミニルーター用ダイヤモンド砥石 2本セット 球形・砲弾  ¥100
・ミニルーター用マンドレル 軸  ¥100
・ミニルーター用切断セット ¥100
・ダイヤモンドやすり 3本セット  ¥100
・強力瞬間接着剤 ¥100
・ニッパー ¥100

 計 ¥1940

¥1940で収まった!…税抜だけど

今回はこれで進めていこうと思う。

備考

ただし、上記のラインナップは前述の通り再現性を高めるため「安いこと」「入手しやすいこと」の二点を重視していて、作業効率は完全に犠牲にしている。

特に鬼門になるのはシャフトの切断で、100均の切断セットで切断するのはかなり根気がいる作業になる。

より確実に作業するならディスクグラインダー固定台を使おう。安全に一瞬で切断できる。

固定台はなんでもいいと思うけど、ディスクグラインダーは無段階変速できるものがオススメ。

また、穴を開けるためのルーターも少し背伸びして変速式を買っておくとDIYやプラモ作成などで幸せになれる。

複数のアタッチメントがセットになっていたりするので総合的にコスパがいい。

100均のルーターは乾電池式なのもネック。

当たり前だけど100均製品より汎用性高く、恒久的にDIYの相棒になってくれる。

ディスクグラインダー固定台汎用ルーターを使用する場合、上記リストのIN OUTはこんな感じ。

IN

・ディスクグラインダー

・固定台

・汎用ルーター

OUT

・ミニルーター(3Vタイプ、交換ビット3本付)

・ミニルーター用切断セット

・ミニルーター用マンドレル 軸

・ミニルーター用ダイヤモンド砥石 2本セット 球形・砲弾

直してみる

① 天板を外す

天板はネジで固定されているので【精密ドライバーセット】で外す。

電池が入るスペースのネジはシールに隠れているので剥がしてアプローチする。

※シールを外してしまうと公式サポート(購入から半年)が受けられなくなるので自己責任でオナシャス!!

②ホイールに穴を開ける

▼ルーターにドリル刃を付けて、アルミホイール用ブッシュをはめるための穴を通す。

穴の大きさは気にせずとりあえず貫通させることを目指す。

▼貫通させたらルーターの刃を【砲弾型のダイヤモンド砥石】に変えて滑らかにならしていく。

十字に切られた側にブッシュの凸をはめこむので、フィットするまで削っていく。

【ダイヤモンドやすり 3本セット】の丸型を使うと綺麗に仕上がる。

※ルーターは長時間使うとモーターが熱くなります!数分使ったら休ませつつ作業しよう

③ブッシュに穴を開ける

▼同じくブッシュにも穴を開ける。

ルーターに【1.5mmドリル刃】を付けて、シャフトをはめるための穴を通す。

もともとシャフトを通すための穴は空いているけど、シャフトの長さ調整のために貫通させよう。

▼シャフトをはめてみてキツい場合は【2mmのドリル刃】に変えて再度掘って微調整する。

一袋八個入っているので失敗を恐れず気楽にやろう

④シャフトを長さ1.5cmに切断する

▼まず1.5cmの長さを測ってマジックなどでマーキングしておく。

▼ルーターに【切断セット】を取り付けて 少しずつ×n 削っていく。

ルーターのモーターが熱を持つので、”5分削ったら少し休ませる”を繰り返す。

ここが正念場!ゆーーっくり進めよう

※削る際にシャフトが摩擦で熱くなるので、シャフトを持つ方の手に軍手や手袋をして断熱しておく

⑤シャフトとブッシュを合わせてユニットにする

▼合体させてユニットを作ったら、シャフトの頭の長さを微調整しよう。

シャフト軸の頭の長さは軸受に貫通させるほど長い必要はない、むしろ長いと差し込めない。

折れてしまった軸とだいたい同じ長さになるように調整しよう。

▼このユニット部分は新たにTABMATEを新調した場合も②を施工すれば使いまわせる。

⑥ユニットとホイールを合わせる

▼ホイールの穴の直径を大きくしすぎてガバになってしまった場合は【瞬間接着剤】を使う。

ユニットの軸部分に塗布してもいいけど、笠部分にちょこっと塗るだけでも十分(ユニットを使い回す時に外しにくくなるし…

▼接着時は軸が中心にくるようにアライメントに注意する。

アライメントがずれているとホイールがスムーズに回らない原因になる。

⑦軸受にはめ込む

▼軸受の六角穴に合わせて軸をはめ込む。

無理に力を入れると軸受の基盤を傷つけてしまう。

ホイールを回して軸受が連動してさえいればいいので、軸受の半分くらいまで刺さっていればOK。

⑧天板の干渉する部分を切る

▼天板の板が軸受側のブッシュに干渉するのでニッパーで切り取ろう。

軸受側は径の小さい方なのでそちらを切る。

▼切り口がガタガタになるので、気になるならミニルーターに付属している大きめの砥石ビットでならして仕上げよう。

⑨天板をはめて完成

▼裏のネジを締める前にスムーズにホイールが回るかテスト。

ホイールが左右どちらかに寄ってる場合、スクロールがキツく感じたりするので微調整して完成。

くぅ疲

左手ツールがぶっ壊れると作業する気力まで無くなる。

TABMATEの利点の一つに安いことが挙げられるけど、値段上げて金属軸にしてくれる方が長く使える&レビューも浄化されてニコニコになる気がする。

それを差し引いてもソニータイマー搭載型の方が総合的に儲かるのかな?

ちなみに今回ミニ四駆の部品を使った一番の理由は軸のアライメントを取るのが楽だから。

ミニ四駆も車両である以上、タイヤ関係のパーツはある程度アライメントはとってあるはずで、ホイールとユニットを合体させる時だけ気をつければいい。

以上、長い時間お付き合いいただきありがとうございます。

お疲れ様でした!

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